青春18きっぷ 東京→福岡 小倉チャレンジ【もっと遠くへ!】
青春18きっぷ。日本全国のJR路線乗り放題、東京から京都でも大阪でも青森でも実質2,400円程度でいける素晴らしいきっぷ。しかもいくらでも途中下車してオッケーな優れもの。
その青春18きっぷを使い東京駅から福岡県小倉駅に旅してまいりました。
ただし、鈍行だけで19時間10分。計1150分かけてな!
なぜ福岡は小倉なのか
東京駅から小倉駅までの旅路。
小倉駅といえば、子どもは拾った不発弾の手りゅう弾で野球をし、ご近所トラブルでは対戦車ロケット弾が飛び交い、全人口の3%が殺し屋とされる福岡県北九州市の中核駅。
(生還者が少なすぎるため真偽のほどは不明)
オタクの祭典 夏コミまっただなかの8月10日、なぜ私はえっちなコスプレお姉さんではなく小倉を選んだのか。逆に変態っぽくていいぞ私。
それもこれも、東京駅から青春18きっぷを使って丸一日フルで行けるもっとも遠くが福岡県小倉だから。
たったそれだけの理由で、8月お盆の猛暑のなか私は行きます小倉まで。そもそも無事にたどり着けるかもわからないけれど。
さらば埼玉、さらばえっちなお姉さん。引きこもりたい人生だったよ。
しかもめっちゃ安く行ける
本来東京駅から小倉駅へ新幹線で向かうと自由席でも2万円以上かかります。が、青春18きっぷならあら不思議、実質2,250円で行けるのです!
なんてお得なんでしょう。
とかなんとか言いつつ、準備やらいろいろにお金がかかったので、結局そこまでお得かは怪しいところではありますが……
東京駅〜品川:いざ出発!(4:55〜5:04 / 9分乗車)
一人じゃ顔ハメ写真も撮れないかなしみ。
まずスタートは東京駅、8月10日始発4時55分のJR横須賀線久里浜行き電車に乗り込みます。
が、多くの青春18きっぱーのみなさん同様、私が住まう埼玉某市からはどう頑張っても東京駅始発の4時55分の電車には乗り継げません。
仕方なく、チャレンジ出発前夜に東京駅にお泊まり。
しかし世間のお盆休暇が始まる前日の金曜日、東京駅近辺のホテルなんて泊まる余裕なんぞありません。どちらにしても埼玉県民たることがバレると草を食わせてくるので、そんな豪華な場所には泊まれないのです。
東京駅八重洲口方面にある個室ビデオ店。
なので個室ビデオ店に泊まることに。より個室感の強い漫画喫茶みたいなイメージで、お店が貸してくれるえっちなDVDを個室で観れる、ってお店です。
しかし、硬派な私はえっちなビデオなんぞに興味はない。ここは漢らしくダイハードシリーズを一気見することに。
DVDは6枚まで借りられるのにダイハードは5作品しかないので、6枚目は大人のダイハードにしました。
結局、朝早いし大人のダイハードだけ観て寝ることに。うっ……ふぅ。
しかしこれだけで4,200円。東京駅 → 小倉駅チャレンジをやった方は大抵同じことで嘆くけれど、東京から小倉までの実質運賃より高い。しかも禁煙個室が空いておらず、我が清らかな肺にニコチンを染みつかせて眠ることに。大人のダイハードで鼻息荒かった分、たくさん吸い込んだ気がする。
しかも私、旅の前に財布を整理した際にキャッシュカードを忘れてしまう凡ミス。手持ちの現金は1万円。ただでさえ福岡5泊予定で1万円じゃ心細いところに、4,200円の現金出費(この個室ビデオ屋さん、お支払いが現金のみだった)。いったい私は何をしているのだろう。
そして朝4時55分、無事にJR横浜線久里浜行きに東京駅から始発に乗り込み出発。といっても30分もせずに品川ですぐ乗り換えですけど。
品川〜小田原:本格的な電車紀行(5:10〜6:21 / 71分乗車)
品川でJR東海道本線小田原行きに乗り換え、本格的な青春18きっぷ各停の旅がスタート。一路神奈川へ向かいます。
自分ルールとして混み合ってるときはなるべく座らないことを決めていました。鈍行列車は地域住民のみなさんの足でもあるし、普段乗らない青春18きっぷ旅行者が我が物顔で座席を占領しては地域のみなさんにご迷惑をかけるかもしれないので。
しかしまだまだ早朝なこともあってか、品川~小田原間全然余裕で座れました。天気もいいし心配してた台風8号・台風9号も影響もなく。これは幸先がいいぞ。
と、思っていたら……
おSiriにちょっとした不安が
トイレ事情・うんち我慢ネタは青春18きっぷ&東京 → 小倉チャレンジ旅では超定番。
なので私は絶対やるまいと思ったんですが、ごめんなさい。私の肛門括約筋は本番に弱いみたい(死)。
普段あまりお腹がゆるいことはないし、このたびにおいておSiriがそれほど切迫することはないはずだ、なんて甘く考えていました。
しかして東京駅で電車に乗ったくらいですでにお腹が痛い。
※ネタじゃなくてマジなヤツです。
青春18きっぷによる東京駅 → 小倉駅チャレンジの旅は乗り換えは五分程度がほとんど。もし一本乗り遅れようものならゴールの小倉に辿り着けない。駅のトイレを利用するなんてもってのほかです。
幸いにも小田原行きの列車内にトイレがあることは把握済み。せっかく座席にも座れていることだし、少しでも後回しにすることで今日一日トイレに行く回数を減らしたい。そう考えた私は肛門括約筋に喝と活を入れ、小田原駅に着く15分前くらいに立って行くことに決定。
そしていよいよ小田原到着15分前。肛門括約筋に導かれるままトイレのある車両へ移動すると。
は?
なんということでしょう、トイレ使用中!
しかも待てども待てども出てこない!
「 もしかして席が空いてないからトイレに座ってるのか?! 」と勘ぐりたくなるほど出てこない。いま思えば待ったのも数分程度だったしトイレ周辺に空席あったしそんなはずはないのですが。おSiriのから騒ぎに脂汗まみれの私は冷静ではなかった。
いよいよ小田原まであと5分。このままでは二択。開始2時間足らずでチャレンジを諦めるか、無理に乗り換えて漏ら死。
なんて考えている間にトイレのドアが開く。スッキリ顔で出てくるお兄さんとすれ違うようにトイレに滑り込みながら、睨みつけてやる(多分向こうは気づいていない)。
トイレの妖精かと思うような、いや、そもそもトイレにはおよそ似つかわしくない爽やかイケメン。おSiriからいちごとかひねりだしそう。なんならおSiriに穴なんてなさそう。そんなとこまでツルツル美肌で化粧水塗り込んでそう。
しかしトイレんなかはめっちゃうんこ臭い。顔はイケメンなのにうんこはめっちゃ臭い。牛かよってくらい臭い。
ク〇かよ。……いや〇ソだったわ。
自動ドアなのにカギが自動じゃないことにあとで気づいて(別の)変な汗かいた。
便座に腰を下ろして荒ぶるおSiriを落ち着かせ、ようやく冷静な思考を取り戻す私。そういえばその昔「 俺よりイケメンは全員うんこが臭くなれ! 」と呪っておいたことを思い出しました。
つまりこの苦行も自業自得。しかしまさか私に呪術の才能があったとは。このブログを読んでるみなさんも全員もれなくうんこが超絶くさくなればいい。
そんなことを考えながらパンツを上げていたら間もなく小田原に付くとのアナウンスとともに電車が減速。ギリギリ流すのも間に合い、なんとか無事電車から降りる。といっても電車のドアはすぐには閉まらず、無駄に頑張った感で悔しい。
小田原〜熱海:ノープランの研究不足が仇に(6:22〜6:45 / 23分乗車)
微妙に海が映ってないのが私クオリティー。
乗っていた小田原行き、トイレからそのまま飛び出した車両が11号車。
で、ホーム向かいに乗り換え先のJR東海道線熱海が停車していたんですが、この熱海行きの車両編成数がかなり減っていたため車両はホームの遥か遠く。
なんせ小田原駅での乗り換え時間は1分しかないので超焦り、電車のトイレから飛びだした勢いそのままで走ることに。といってもキャリーケースもあるし同じく車両差であぶれた人たちが多くて早歩き程度がせいいっぱいでしたけど。一度乗り換え損ねればたどり着けなくなる青春18きっぷ最長の旅、とにかく乗り換えは気がせく。
なんとか急ぎ歩きで手近なドアから潜り込むも、同じように車両数差であぶれた人が多かったため非常に混みあっていました。すみっこにも行けずドア付近に立つことになり、混雑のなかキャリーケース押さえつつ立ちっぱなし。しばらく難儀したけど、朝日に光る海がとても綺麗で癒された(このあとめちゃくちゃ日焼けした)。
熱海〜浜松:初の100分越え区間(6:49〜9:18 / 143分乗車)
青春18きっぷ旅に定番のアプリ、駅メモ。
20分ちょいの小田原から熱海から一転、熱海で浜松行きに乗り換えてからは143分ノンストップで静岡県横断コース。青春18きっぷの旅、初の100分越えです。
どんどん旅行者も増えてきて、満員とまではいかずとも揺れれば肩触れあう混雑具合。前日に小田原や熱海辺りで泊まっている青春18きっぷ利用者の方も多いのかも。
そんな状況では座席どころか網棚もいっぱい。キャリーケースに片手をとられ、持ってきた本もSwitchもダメ。帰ったときの楽しみにマンガ「 彼方のアストラ 」を全巻買いしておいたんですけど、電子書籍版でスマホに入れておけばよかったと後悔。
仕方なしに片手でスマホで駅メモいじってたらスゴい勢いで電池食われて外部バッテリーがひとつ活動限界。省エネと思ってブサイク猫画像検索して観てたら楽しみにしてた富士山は見逃す。
いいところもなく2時間以上立ちっぱなしでしたが、旅とは名ばかりの無茶なチャレンジはまだまだ始まったばかり。
浜松~豊橋:相変わらずのトイレ事情(9:24~9:57 / 33分乗車)
ついに静岡県浜松駅に到着。
静岡の中核都市のひとつ、YAMAHA、Rolandのお膝元 浜松にてJR東海道線 豊橋行きに乗り換え。
相変わらず乗り換え時間は短くたったの6分。1ミスでここまでの苦労が水の泡になる過酷なチャレンジ、とても駅のトイレを利用しようって気にはなれません。かといって絶妙な混雑状況でトイレ車両まで向かう気力もない。ガンバレ私の膀胱。
どこかのお店で朝ごはんを食べる余裕もなし。本当ならせっかくの浜松だしビールと餃子でも楽しみたいところだけど、ぐっとこらえて事前に用意したコンビニおにぎりで朝食をとる。
ちなみにおにぎり、いつものクセでパリパリ海苔のにしたんですけど、あれ海苔がバラバラなに散ったりするので電車内で食べるときすごく気を遣いました。最初からパリパリ海苔の方が好きだけど、今回ばかりはベッタリ海苔のおにぎりにしておけばよいかったと後悔。
そしておにぎりだけじゃ足りず、ウィダーインゼリーを流し込む。喉が渇くものは水分をとりすぎて膀胱に負担をかけそうだったのでウィダーインゼリーを5個ほど用意しておいたのです。
もう諦めて余計な水分とりてぇぇええ!(意訳:とてもとてもビールが飲みたい)
乗り換えのときホームの自販機を利用する程度の時間はあるので、とにもかくにも飲んだ分の水を補給。車内は涼しいし意外と喉は乾かないけれど、こんなところまできて脱水症状なんか起こしたくはないのでこまめの水分補給を心がける。
豊橋~大垣:愛知県入り&難関大垣へ!(10:02~11:32 / 90分乗車)
いよいよ豊橋に到着。ついに愛知県入りです!
愛知県といわれて急に遠くまで来たんだな、と実感が。いよいよ西日本だからでしょうか。地学的には静岡の途中から西日本らしいですが。
新幹線・特急なしでも5時間あれば結構遠くまでこれるもんだ。結局座れないのはなかなか辛いけど、お盆だからか通勤ラッシュもないし旅は順調。
そして次は青春18きっぱーたちに有名な大垣。見せてもらおうか、大垣ダッシュの走りとやらを……!
ともあれJR東海道本線 快速大垣行きへ乗り換え。青春18きっぷは鈍行の旅と書きましたが、特急券が必要になるような電車でなければ各停ではない快速に乗るのはOK。私鉄でいう準急とか急行みたいなのはセーフです。
大垣~米原:大垣ダッシュってなんだったんだ(11:42~12:17 / 35分乗車)
青春18きっぷで西日本へ旅をすると必ずぶち当たるのが、大垣ダッシュなる言葉。
大垣駅での乗り換え時間が短かかったり席の争奪戦のため、旅人たちが猛ダッシュする現象が起こるらしい。しかし、今回の旅に限ればそんなに激しくもない。一応みんなそれらしく急いではいたけど結局階段でどん詰まりだし。
私の場合、座る気も座れる気もしなかったので最初から悠々と歩く。頑張って座れても米原まで35分でまた乗り換えだし、大垣駅での乗り換え時間は10分もある。ダッシュする意義が見当たらない。
なお、大垣駅における10分の乗り換え時間って実は東京 → 小倉チャレンジ旅においては第3位の長さ。相変わらず改札を抜けようなんて思えないけど、駅のトイレくらいは行けるかも?
多分だけど、例外的に青春18きっぷが使える夜行特急ムーンライトながらで朝方に大垣についたみなさんがやったりするものなのかなと推察?
ちなみに私、今回の旅はムーンライトながらを使って前夜から出て博多まで行こうなんてもくろんでいました。しかしネット予約開始とともに予約したつもりが普通に先着順にあぶれてとれず。予約ページにたどり着くまで10分ほど迷ったせいだ。駅ねっと使いにくすぎですよJRさん!
米原〜姫路:米原から都心を抜けるロングラン(12:20~14:47 / 147分乗車)
よねはらじゃないよ、まいばらだよ。
昼過ぎになり、滋賀県 米原駅へ到着。
ここで琵琶湖線新快速 姫路行きに乗り換えてからはどどーんと本日二度目の2時間越え、147分のロングランで一気に兵庫県 姫路駅へ向かいます。
2時間もかかるのかと思いつつも、逆にいえば近畿地方の複数県を一気に通過する約200kmコースを2時間。かなり早いようにも感じられます。JRの新快速は化け物か。
大垣付近からどう見ても旅行者だらけになってきたし、体力的な問題も出てきたのでもう座れたら容赦なく座るシフトに切り替えました。しかし米原で乗った姫路行き電車では全く座れず。目の前で慣れた手つきの旅行者がボックス席背面の補助席を広げて座るのを見て歯がゆい思いをすることに。
(こんなものあるのかと感心しつつ、扉横のボックス席背中側に荷物を置いて寄りかかることもできないことにガッカリ)
仕方ないので約2時間半立つことを覚悟してせめて乗り降りの邪魔にならないようボックス席のある通路に入ったところ、なんと1駅で目の前の人が降車。さっそく荷物を荷物棚に上げて座る。
最後におSiriを落ち着けたのは小田原駅に着く直前にトイレで肛門括約筋を休めたときのこと。すでに6時間以上が経過しています。スキーのあとに入った温泉のごとく、じんわりとした感覚が駆け巡る。おSiriにだけ。
荷物は網棚に上げてしまうが吉。
キャリーケースも荷物棚に載せられて、小型のものにしてよかったとホッと。小田原を過ぎたあたりから座席は全てボックス席。荷物棚に乗らない大型のキャリーケースで来ていたら、座ったあとも通路を塞いで超絶邪魔になるところでした。滑らないよう片手で押さえてないといけないし。
微妙に横幅がはみ出て流ので落ちてこないか心配だったけど、結構な揺れでもバツグンの安定感。さすがゴッグだ、ビクともしないぜ……!
小休止:姫路駅では乗り換えに16分もの余裕が!
東京 → 小倉チャレンジ旅のオアシス、姫路駅。
なんと、姫路駅では乗り換えに16分もの余裕があります!
なにを隠そう1日東京駅 → 小倉駅の青春18きっぷチャレンジ旅のなか、15分を超えてまとまった乗り換え時間があるのはここ姫路駅とあとで立ち寄る糸崎駅くらいしかありません。次点が大垣駅の10分で、あとはほとんどが5分程度しか乗り換え時間のない駅ばかり。
16分。ああ16分。さすがに昼ご飯を食べるには心許ないと思いつつ、トイレくらいはゆっくり行けると心おどる16分。
しかも姫路で乗る電車も20分ほどでまた乗り換えることになるので、席を確保するために頑張って並んでおく必要もない。それもあってか、同じく青春18きっぷで旅してきた仮想仲間らの顔にも少し余裕が見えます。
姫路駅こそ青春18きっぱーのオアシス。今まで全く縁はなかったけれど、兵庫県と姫路のことが少しだけ好きになれた、そんな旅でした。まる。
まだ全体の半分しかきてないけど。
惜しむらくは、今回の旅路では姫路駅での乗り換え先が降りたホームの向かいだったのに、トイレのため一度ホームからコンコース階へ降りなければならなかった点。正直無駄な体力を使わないよう可能な限り動きたくないところ。
しかしいまやっと少しだけ好きになれた姫路を私の黄金水で汚してたまるものか、とトイレに向かう。珍しく男性トイレに行列できてて焦ったけど、大用の個室の行列でした。イケメンな私はうんこなんかしないので問題なし。
駅そばめっちゃ食いたい。
なお、姫路駅で降りた&乗り込む7・8番ホームに立ち食い(?)そば屋が。混雑してなければ、16分あれば食べれたかも。あと改札階に吉野家もあったので、チャレンジャーなみなさんはどうぞ。
私はトイレで時間を使ってしまったので、姫路まできてこれでは味気ないとも思いつつコンコース階のセブンイレブンで照り焼きチキン&タマゴのサンドイッチを購入。しかしいざほおばると関東で食べる味と全然違っててビックリ。そしてエスカレーターの列が右側じゃなくて左側を空けてて、「 ああ、関西なんだな。遠くまで来たんだな 」と当たり前のことをようやく。
そういえば東京駅を出発した4時55分から約10時間経ち、19時間20分の列車の旅もいよいよ折り返して後半に入ったとここで気づく。
……いやマジかやっと半分か。死ぬわ。オイオイ。
姫路~相生:初の電車遅れ(15:03~15:23 / 20分乗車)
ゆっくりサンドイッチも食べてなんだか心に余裕も生まれた姫路駅。しかも近畿圏の都心から離れる方向だからか、電車はすごくすいていて余裕で着席。
しかし旅は容赦なく私の心を折りにかかってきます。姫路駅で連絡予定だった別の電車が遅れたため出発が数分遅れるとアナウンスが。
ひとつ間違えば詰むのがこのチャレンジ。正直かなり焦る。やめてくれぇぇええ。
なにより精神的にきたのが、最初からわかっていれば吉野家で牛丼でも食べればよかった、とスゴク精神的にくる。温かいものを口に入れたいよ! 真夏で暑いけど!
結局20分以上姫路駅に滞在することに。
そして姫路駅を出発し、本来の到着時間より遅れているため緊張感をもって一駅一駅見送りながら20分ほどで相生駅に到着。
相生〜糸崎:地獄のミサワかよ(15:25〜18:04 / 159分乗車)
いざ相生駅で降りてみれば乗り換え先の糸崎行き列車のほうが編成が短く、走って行って先頭車両へ駆け込むことに。
さすがに遅れた電車を待っておいて乗客は見捨てていくことはないとは思いつつも、同じく乗り換える人々はみな必死。
なぜならここ相生から159分の長丁場。みな座りたい。車両差であぶれて駆け込む人が多く、手近が扉では人があふれたため先頭車両の一番後ろに乗りこむことに。
結果これがラッキーで、座れはしないトイレの目前スペースすみっこに陣取れました。人が多く混雑してるなかでも、とりあえず寄りかかれる壁があってキャリーケースを倒して置けるスペースがある。なにより目前はトイレの安心感。とけていくおSiriの緊張。素晴らしい。
糸崎行きの電車で驚いたのが、小学校高学年~中学生くらいの青春18きっぱーたちがいたこと。保護者らしき大人は見当たらず、彼らだけできてたように見える。楽しいだろうな、ほほえましい。
「 東京駅から長かった~ 」などと無邪気に話している。マジかよじゃあ君たちその年齢でずっと私と同じ列車に乗って旅してきたのか。
しかし繰り返しながら次第に大きくなる「 次の糸崎でやっと終わりだよぉ! いやぁ、東京からきつかったぁ! 」の声に若干イラっとも来る。
君たちはアレかね、地獄のミサワ的ななにかかね。
突っ込みたくなるのをぐっとこらえ、Switchを取り出してファイアーエムブレム 風花雪月をプレイ。ベルナデッタちゃんをたんまりかわいがってやることに。誰だよベルちゃんのこと産廃とかいったヤツ。3回攻撃おいしいぞ。なによりかわいいぞベルちゃん、ベルちゃんかわいいぞ。もうおじさんもこんな旅諦めて君と一緒にひきこもりたいよ(ニチャァ)。
地獄に消えたミサワ少年たち
岡山を過ぎて人はかなり減るも、まだまだ立ちっぱなし。出発から約12時間、アラサーのおっさんは体力的にもかなりしんどくなってきています。ここでふと気づく。
ミサワ少年たちの姿がない!
たしか彼ら、「 糸崎で終わる! 」と言っていたような。が、どうやら岡山駅辺りで降りたっぽい?
だ、だだだ大丈夫かミサワ少年たち!
君たちの歳で乗り換え間違えたらそれこそ地獄だぞ!
いやしかし、岡山でおいしいラーメンでも食べるつもりなのだろうと思い直す。本来、青春18きっぷはいくらでも途中下車できる魔法のチケットなのです。私のように途中駅で降りることが許されない東京 ~ 小倉青春18きっぷチャレンジをしているのでもなければ。
冷静に考えてグルメの街、大阪も岡山もスルーとか。一人地獄を味わっているのは私のほうじゃないか。なんてこった。
唯一の癒しは瀬戸内海の美しい風景。でっかい河だなぁ、と思っていたら瀬戸内海の島々との間にある海でした。眼前に迫る水や造船所の風景の迫力は素晴らしかった。
長旅でしかも小倉チャレンジ、なるべく荷物を減らそうと一眼レフカメラを持たずにきたのが悔やまれます。なんのためのキャリーケースだったか。
糸崎〜徳山:21分休み、203分進む地獄のマス、糸崎(18:29〜21:57)
JR山陽本線 徳山行きへ乗り換える糸崎に到着。
こここそが青春18きっぷ 1日東京駅 → 小倉チャレンジ旅において最長の乗り換え時間、21分を誇る糸崎です。
これだけあれば外でなにか食べて来れる! と思うところ。ですが、この過酷な旅に挑んだ先達のブログを事前にチェックし、糸崎の駅前には特別サクッと食べられそうな飲食店はないと知っていた私、ホームを動かない。
というのは建前で、これ以上無駄に動きたくないアラサーの体力。出発から13時間以上の電車移動、特に直前の相生から糸崎までの156分、ひたすら立ちっぱなしでかなり体力をやられました。よほど現地民っぽい方が来たら別として、次の列車では絶対に座ると決心し駅トイレも行かず並んで電車を待つことに。
なんせ次の徳山行きは一度乗ったら脅威の200分越え、203分の長丁場えです。糸崎までの150分+糸崎からの200分も立つのはもはや私には不可能です。また6時間以上おSiriを浮かせておけと? 冗談だろ小倉……
むしろ、とくにやることもなく21分も待たされて恨めしい。この時間的余裕は空腹がピークだった昼前のうちに欲しかったです。もう大分日も傾き、真夏の駅のホームでも過ごしやすくなってきた点が救いでした。先ほど見えた海は見えなかったのは残念ですが。
次の列車まで時間が空くためか電光掲示板にも次に乗り込む徳山行きの案内は出ていませんでしたが、小田原辺りで一度見かけた青春18きっぷ旅であろう男性が迷わず向かいのホームに並んだのでそのうしろにつけて待つ。焼けた首筋と頑丈そうなカメラのハードケース&三脚が旅慣れてそうで実に頼もしい。結局ここで合っていたらしく、無事乗り込むことができました。
そして、ボックス席は埋まらず、全く問題なく座れてしまった。
いい加減日も落ちてきた。
19時間以上に及ぶ旅路において3時間以上の最長区間を座れたはいいものの、一番きつかったのがこの区間。
ボックス席に悠々座れたことだし日も暮れてきたことだし次の乗り換えまでは3時間以上あることだし、少し仮眠をとりたいと思いつつも、列車が真新しいためか社内の照明がめっぽう明るくてうとうとするもどうにもうまく寝付けず。
こいつのおかげで胸焼け地獄。
夕飯代わりに食べたスニッカーズがまた絶品だったんだけど、これが原因か胸焼けしちゃったのもかなりきつかった。
到着予定の0時過ぎまではまだまだ5時間以上残っています。電車の速度が遅いのか、Googleマップを観ていてもどうにも進みが遅いように感じてしまう。
なんだか画面をみるのもしんどく、Switchもネトフリも観ずに過ごしました。正直、そんな状況をどう乗り越えたか自分でもあまり記憶にないです。
ただ、山口県に入ったときはよっしゃあ!と少しテンションが上がったことだけは覚えてる。
〜下関:203分のあとの111分(21:59〜23:50)
チャレンジ旅、最後のロングラン徳山駅〜下関駅区間。
203分の電車紀行を経てほぼ夜10時。徳山に到着。ここでJR山陽本線 下関行きへ乗り換え。
乗り換え時間はたったの2分ですが、もはや乗り換え時間の短さなど問題なし。むしろさっさと運んでくれって感じなので、短い乗り換え時間は嬉しいとさえ思えてきました。
そして乗り込んだ電車は一転古そうな感じ。席はポツポツと空いているものの、時間が遅いためかみな座席マナーが悪い!
ガラの悪いお兄さんとか明らかに酒に酔った集団が一人二席以上占領してたり。ビビりな上に精神的にもおSiri的にも疲弊した私、座るに座れない状況でGoogleマップを観て奮い立つ。
山口県こそこの旅のラスボス。
なんせ山口県こそ、東京都から福岡まで13都府県(多分)をまたぐこのチャレンジ旅において通過すべき最後の1県。しかも徳山で降りた時点で山口県横断も3分の1以上は消化。いよいよ終わりが見えてきたのです。
ここまで17時間耐えてきたんだ、不退転の覚悟で夜10時から日付が変わるまでのたったの2時間強、立って見せる!
と思ったら数駅で席が空く。いや座るよね普通に。
そして座ってからの記憶がありません。間違いなく眠ってはいなかったのですが、本当にすっぽりと記憶が抜け落ちている。ひたすら時計とGoogleマップを観てあと1時間、あと30分……と数えながら過ごしたような。脳内疲労がピーク。
東京駅でも慣れない環境の割りにはぐっすり休めた(大人のダイハード、ふぅのおかげ)。しかし朝4時に起きて0時まで電車移動しっぱなしはなかなか堪えます。
下関~小倉:福岡へラストラン!(23:51~0:05)
そしていよいよ下関に到着し、1分で乗り換え。特に焦ることもなく全く問題なく乗り換えられた……気がします。もうこの辺の記憶はめちゃくちゃあやふや。さすがに1分乗り換えでは駅ホームの写真も撮れず、記憶を読み覚ますヒントがなにもなく。
いずれにしても、山口県下関と福岡県門司港間を挟む海峡ひとつ超えれば目指すべき福岡県に上陸。しかも小倉は福岡の玄関口、門司区のすぐお隣。
あと少し、たったの14分。
海峡を越えるトンネルに突入し、外はただライトが周期的に流れていくだけでなにも見えない。しかし疲労感も吹き飛ぶこの高揚感……!
なによりGoogleマップの進みが早い。それが私にはうれしかった(地下区間では位置情報が派手にバグってたけど)。
8月11日24時5分、到着
こんな旅、二度とすまい。
ついたああああぁぁあああ!
小倉ァァアアア!
いやホント、お店もなんもやってないけれど。とにかくついたのです。
19時間10分。実に1150分の苦労が報われる瞬間が来たのです……!
と思ったけど報いてくれるなにもないのよね。これ以上電車もなく、行ける場所もない。僕は青春のどん詰まりにきただけでした。
後日談
あれ、この車掌さんって大泉学園にもいたような……
同チャレンジをなさる方の多くはついた翌日、新幹線で帰ることが多いようなのですが、貧乏性な私は数日観光する予定を立てていました。
1日東京駅 → 小倉駅青春18きっぷチャレンジ旅が行われたのは2019年8月10日のこと(東京駅で大人のダイハードを楽しんだのが8月9日夜)。
そして15日帰る予定で博多観光を満喫。行きが過酷なのはわかりきっていたので、帰りは悠々帰れるよう指定席まで用意。いま思えばUターンラッシュの時期によく指定席なんかとれたわ。
しかしこのとき私は知らなかった。マジで知らなかった。せまる台風10号「 クローサ 」の脅威を。
結果、14日の時点で15日山陽新幹線の全便運休が決定、私は14日の最終便の新幹線で、座れるわけでもなく、4時間半立ったまま帰ったとさ。
現金少ないとかキャッシュカード忘れたとかもうどうでもいいレベルでムカついた(ちなみにホテルも漫喫もPayPay中心にキャッシュレス化が進んでて超助かった)。
おかげさまで明太子も買えず。ふぁあああああああっく!!!
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